わたしと服―★わたしの中のファッション屋★
もの心ついた時には、布の反物の中で弟と遊んでいた。
布を裁断するハサミで紙を切っては、叱られていた。
時代は昭和の豊かさへの階段を駆け上がっていた。
両親はとにかくお店優先だった。
夜遅くまで忙しかった。
子供が夕食を取る時間はとうに過ぎていた。
すきっ腹を抱えながら、弟と二人お店に通じる階段の途中で
眠りこけていた。
小学校5・6年生の頃には、
フャッション屋の子供、生意気に
VANMINIやKENTを着ていた。
店舗の二階ではさすがに手狭になりだした中高生のころ、
兄弟二人近所のお家を転々と間借りしながら、東京の大学を目指した。
就職活動をしながら自ら選んだ道は、
当時一流と言われた
カネボウやレナウンなどの
素材繊維産業でなくアパレルだった。
三十数年、いや、もの心ついてからの五十数年間
どっぷりと染まってきた女性のための服飾の世界。
たった一枚の布地。
無地か柄か ×色の数 ×図案の数 ×織りの数
まさに無限の拡がり
たった一着の型紙。
襟の形 ×袖の形 ×身頃の形
さらなる無限の拡がり
まさにロマン溢れる無限の拡がりから生まれる一着を
『貴方の』 感性に、『貴方の』シーンに合わせてアドバイスできる力
服飾の世界に身をおき
布という素材を知り、デザインという形を知り、御客様の声を知り
ずっとずっと培ってきたこの力こそが
MON NAKAMURAに
『人が集う 源泉』 だと思う。
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